
トラップのコツは動かす、逃がす、止める!3つの種類を使い分けよう
フットサルにおいて最重要と言っても過言ではない“トラップ”。
“トラップ”というと、ただ転がってきた(飛んできた)ボールを止めることだけと思いがちですが、実は次の動きやすい位置まで移動(コントロール)することまでを含めてトラップといいます。
なので、ただ単に“止める”だけではなく、トラップで“動かす”やトラップで“逃がす”といったことも出来る様にしておくことが大事です。
今回はこの動かす、逃がす、止めるの3つの種類のトラップのコツについて解説していきたいと思います。
トラップでボールを動かす

まず、フットサルのトラップではボールを動かすことが基本です。
フットサル大国のスペインではボールを動かすトラップは「コントロール・オリエンタード」と呼ばれ、数学においての足し算や掛け算に例えられるレベルです。
つまり、それぐらい当たり前の技術なんですが、日本ではトラップでボールを動かす習慣がついている選手は少ないんですよね。
それはきっと「トラップ=ボールを止める」ことだという固定観念が邪魔をしているのだと思います。
これも決して間違いではないと思うんですが。
ちなみにトラップでボールを足下に止めてしまうと、相手に寄せる時間を与えることになります。
突破をするときも、ボールを止めてからフェイントをかけるので時間がかかります。
しかし、トラップでボールを動かせば、相手の動きの逆を突いてかわすので余計なフェイントは必要ありません。
これを聞くと「トラップでボールを動かす(=コントロール・オリエンタード)」が、実に効率的なかわし方だということがわかりますよね。
初心者の方もこの効率的なかわし方を是非とも身に付けておきましょう。
コントロール・オリエンタード
ではさっそくコントロール・オリエンタード(ボールを動かすトラップ)の解説です。
ポイントは味方のパスを待つのではなく、自分からボールを一歩迎えに行って、そのままボールを動かしながらコントロールすることです。
このとき相手はボールを受けたところにプレスをかけようと狙っているので、トラップの位置をずらすことで、相手からのプレスを受けづらくなります。

フットサルのような狭いコートで、相手のプレスをかわしやすくなるというのはとても大きなメリットですよね。
ちなみにボールを動かすトラップをする際のトラップする部位に関しては、自信があればインサイドでもアウトサイドでもどこでもいいとは思うのですが、やはりフットサルで一番いいのは足裏トラップです。
コントロールのミスも少ないですし、足裏で転がしながらトラップすると次のプレーにもつなげやすくなりますからね。
『トラップの位置をずらし、プレスをかわす』ということを念頭に、実践してみてください。
コントロール・オリエンタード・フェイク
ちなみにコントロール・オリエンタードにはフェイクをいれる事もできます。
相手が中から寄せてきた場合には、ボールを引きつけてから、足の裏で止めてまたぐように乗り越えて、縦方向に動かす。
これは「コントロール・オリエンタード・フェイク」と呼ばれるプレーです。

『コントロール・オリエンタード』と『コントロール・オリエンタード・フェイク』、この2つを使いこなせれば大きな武器になります。
相手が中から寄せてきたときや、中にボールを動かすのを読んできたときは、足下にピタッと止めて、素早く縦方向に運んでかわしましょう。
トラップでボールを逃がす
トラップではボールを動かし相手をかわすプレーが有効とはいえ、常に狙えばいいというわけではありません。
相手のプレスの強さや、自分がボールを受けるときの体勢、ボールの種類など、状況に応じたトラップの仕方を覚える必要があります。
要はボールの性質や相手の寄せ方に応じてコントロールを変えるという事ですね。
そこで、トラップでボールを逃がすということについても解説します。
例えば、相手を背負った状態でボールを受けるときに1発で相手をかわそうとするのはリスクが大きいので、
背後から激しく寄せてきたら、前を向くのではなく、以下の図のように相手から遠ざかるようにボールコントロールしたほうがいいです。

ちなみに相手が背後から激しいプレッシャーをかけてきている時が相手ゴール前であれば、フェイントでかわして前を向くなどの選択肢もあっていいとは思います。
ですが、ボールを取られると一気にピンチになってしまう時など確実性を優先する場合は、足の裏でトラップでボールを自陣方向に逃がし、
相手から遠ざけながらプレッシャーをまともに食らわないようにして確実にキープしましょう。
トラップでボールを止める
また、完全にボールを止めるケースもあります。スペインではこれを「パラダ」と呼びます。
相手のプレッシャーがないときや、味方にパスをつなぎたいときは、しっかりとボールを止めたほうがいいです。
また、「セミ・パラダ」というトラップ技術もあります。
浮き球をトラップするとき、胸やモモなど足以外の場所でクッションのように勢いを和らげて、足下に落として次のプレーへと移行することです。

浮き球のボールがきたときは、胸やヒザなど柔らかい場所を使ってコントロールしてから、足下に落として次のプレーに移行するという「セミ・パラダ」のトラップを意識してみましょう!
まとめ
では、今回の記事のおさらいです。
トラップでボールを動かす
- 足下で止めると相手に寄せられる
- 自分から一歩踏み出してトラップ
- トラップでボールを動かし相手をかわす
トラップでボールを逃がす&止める
- トラップでボールを動かすことが常に正解ではない
- 完全にボールを止める場合もある
- 状況に合わせてトラップを変える
フットサル大国のスペインではトラップという一つのプレーだけで、いろいろな呼び名がありましたね。
このことからもわかるように、スペインではフットサルをする上でトラップの重要性が非常に高いんです。
日本人の私たちも見習って、さまざまなトラップ技術をマスターして試合で活用してみましょう。